古王国時代(読み)こおうこくじだい(その他表記)Old Kingdom

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古王国時代」の意味・わかりやすい解説

古王国時代
こおうこくじだい
Old Kingdom

古代エジプトの第3~6王朝の時代 (前 2686頃~2181頃) をさす。エジプト国内は安定し,王権が確立して,王墓としてピラミッドが建設されたので,「ピラミッド時代」とも呼ばれる。また首都がメンフィスにあったので「メンフィス時代」ともいわれる。初期には「階段ピラミッド」が出現したが,そこでの王はホルス神とされており,階段は天空への道を意味した。第4王朝のスネフルの治世には階段のない四角錐のピラミッドに移行した。この頃から王権と太陽神レー (ラー) との結びつきが次第に強くなり,第5王朝では最も緊密になり,ヘリオポリスの神学が優勢になった。王がピラミッドのような大建築を築きえたことは,大規模な労働力を駆使することができる絶大な権力をもっていたことを示している。しかしこのピラミッド建設による出費の増大は国の財政の窮乏化を促し,ついに各州に封建貴族が割拠する第1中間期,すなわち封建時代に移行していった。文化面では,太陽神に捧げたオベリスクをもつ荘厳な神殿が建立され,この神殿の建築物や彫刻から,驚くほど完成した美術上の発展がうかがわれる。またマスタバ型墳墓はこの時代に多くみられ,そこにある彫刻や浮彫は素朴ではあるが力強さが感じられるすぐれた作品が多い。工芸技術は鋳造をはじめ鋲留めや槌打ちなどの高度の技術が駆使されており,装身具などにも相当複雑な金銀細工がみられる。

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