クフ(その他表記)Khufu

翻訳|Khufu

デジタル大辞泉 「クフ」の意味・読み・例文・類語

クフ(Khufu)

古代エジプト第4王朝の王。紀元前26世紀に在位。カイロ南西のギザに世界最大のピラミッド建立。ギリシャ名はケオプス。→クフ王のピラミッド

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改訂新版 世界大百科事典 「クフ」の意味・わかりやすい解説

クフ
Khufu

古代エジプト第4王朝2代目の王。在位,前2553年ころ-前2530年ころ。ギリシア名はケオプスCheops。ギーザの大ピラミッドの建造者。父である初代スネフルのはじめた王墓としての方錐形ピラミッドを技術的に完成,底辺230m,完成時の高さ146.5m,平均2.5t(約1m3弱)の巨石材約280万個を用いたと計算され,全ピラミッド中最大であるばかりでなく,石積技術もほぼ完ぺきであり,底辺の示す東西南北方位誤差はわずか1度の10分の1以下である。その巨大さのゆえに,ヘロドトス以来王を暴君とする伝説が生まれたが,その治績についてはほとんどわかっていない。しかし王墓を中心に整然と配置されたギーザの墓地は,高度に組織化された中央集権国家体制の存在を証明している。
ピラミッド
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クフ」の意味・わかりやすい解説

クフ
Khufu; Cheops

古代エジプト第4王朝 (前 2613頃~2494頃) 2代目の王。ギリシア名ケオプス。大ピラミッド建造時代の王でみずからの墓としてギザ最大のピラミッドを建設。 F.ペトリーによれば底辺の一辺は 230m,高さは 146m (現在は 137m) ,平均 2.5tの石灰岩を 230万個積んであり,総重量は 575万tという。しかしその事績については史料がなく,ほとんど知られていないが,スネフルの子で,妃はヘテフェレスのほか3人の妃をもっていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クフ」の意味・わかりやすい解説

クフ
くふ
Khufu

生没年不詳。古代エジプト第4王朝の2代目の王。紀元前26世紀に在位。ギリシア語読みでケオプスともよばれる。エジプトのピラミッドのなかで最大のギザ(ギゼー)の大ピラミッドを築いた。前5世紀のギリシアの歴史家ヘロドトスは、大ピラミッド建造のためにこの王は残酷な強制労働を課し、ために国は衰えたとする説を、エジプト人祭司から聞いた話として記した。今日のエジプト学者は、ナイル川氾濫(はんらん)期に失業する農民にこの事業は職を与えたと考えている。

[酒井傳六]

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世界大百科事典(旧版)内のクフの言及

【エジプト】より

…このため古王国時代は〈ピラミッド時代〉とも呼ばれる。第3王朝のジェセル王がサッカラに造営した〈階段ピラミッド〉を最初とし,第4王朝の祖スネフルSnefru王のメイドゥーム,ダハシュールのピラミッドを経て,ギーザの三大ピラミッド(クフKhufu,カフラーKhafra,メンカウラーMenkaura3王のピラミッド)で頂点に達する。とくにクフ王の〈大ピラミッド〉の周囲に整然と配置された王妃の小ピラミッド,王族・高官のマスタバ墳は,高度に中央集権化された国家の身分秩序を忠実に反映している。…

【エジプト】より

…このため古王国時代は〈ピラミッド時代〉とも呼ばれる。第3王朝のジェセル王がサッカラに造営した〈階段ピラミッド〉を最初とし,第4王朝の祖スネフルSnefru王のメイドゥーム,ダハシュールのピラミッドを経て,ギーザの三大ピラミッド(クフKhufu,カフラーKhafra,メンカウラーMenkaura3王のピラミッド)で頂点に達する。とくにクフ王の〈大ピラミッド〉の周囲に整然と配置された王妃の小ピラミッド,王族・高官のマスタバ墳は,高度に中央集権化された国家の身分秩序を忠実に反映している。…

【殉葬】より

…第3王朝初代のジェセル王の〈階段式ピラミッド〉では,王の石棺を安置した中央の大きな竪坑のほかに11の小竪坑があり,ここで殉葬者がアラバスター(雪花石)製の石棺に葬られていた。第4王朝のクフ王を葬る最大のピラミッドは,東に王妃を葬った小ピラミッドが3基並び,高官を葬った多数のマスタバが南と西に配列されているが,彼らの死が殉死であるか否かを決めることはむずかしい。メソポタミアではウルの王墓の殉葬が有名で,墓室内が荒らされていた789号墓では墓壙内から武装兵士6,男24,女33,合計63体が出土した。…

※「クフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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