( 1 )希望や否定の表現に用いられる場合は、次のように例外的特殊性が最小限の条件となり、「だに」に近い用法となる。「万葉‐二三六九」の「人の寝る熟睡(うまい)は寝ずてはしきやし君が目尚(すらを)欲りし歎かふ」、「仏足石歌」の「善き人の 正目(まさめ)に見けむ 御足跡(みあと)須良乎(スラヲ) 我はえ見ずて 石(いは)に彫(ゑ)りつく 玉に彫りつく」など。ただし万葉例の「を」は補読。
( 2 )「万葉集」に多く見られた「すらを」の形はその後ほとんど用いられなくなり、上代にわずかな例しか見られなかった「をすら」の形が漢文訓読系の文中に用いられる。
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