日本大百科全書(ニッポニカ) 「スワンナプーム国際空港」の意味・わかりやすい解説
スワンナプーム国際空港
すわんなぷーむこくさいくうこう
Suvarnabhumi International Airport
タイの国際空港。2006年9月に、手狭となったドン・ムアン国際空港にかわる新空港として開港。首都バンコク中心部から東に約30キロメートルに位置する。スワンナプームとは「黄金の土地」の意で、プミポン国王の命名による。設計はドイツ人建築家ヘルムート・ヤーンHelmut Jahn(1940ー2021)。敷地面積は約3200ヘクタール、24時間運用、長さ3700メートルと4000メートルの2本の滑走路を有し、1時間に最大76便の離陸が可能で、年間最大4500万人を輸送することができるなど、東南アジア随一のハブ空港(乗り継ぎ拠点となる空港)となる。
1973年に用地買収が完了したものの、政変や通貨危機などにより完成は大きく遅れた。本来の開港は2005年9月の予定であったが、計画変更やシステムチェックなどによって1年の開港延期となった。また、開港の9日前にも軍事クーデターが勃発(ぼっぱつ)してタクシンThaksin Shinawatra(1949― )政権が崩壊したが、2006年9月28日に正式に開港した。しかし、開港後も滑走路や誘導路に損傷が発見されるなど、施設面の不備が現れたため、2007年3月より国内線がドン・ムアン空港に再移転することとなった。
[編集部]