セソストリス3世(読み)セソストリスさんせい(英語表記)Sesostris III; Senusret III

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セソストリス3世」の意味・わかりやすい解説

セソストリス3世
セソストリスさんせい
Sesostris III; Senusret III

古代エジプト第 12王朝5代目の王 (在位前 1878~前 1843) 。センウスレト3世とも呼ばれる。セソストリス2世の子。徹底的な改革を行なって優れた政治機構を確立し,下ヌビアを組織的に征服。全国を南・中・北の3区に区切り,それぞれにきわめて機能的な行政機構を設置し,中央政府の厳重な監視のもとにおくなど,権力の中央集権化をはかった。これにより台頭しつつあった豪族の勢力は抑えられ,1世紀以上にわたって秩序が保たれた。また国土をナイルの第2,3急流の間まで拡大,要塞を築き,アフリカ奥地との交易を確保し,その動向を探るとともに,厳重な入国チェックを行なった。ナイルの水位変動は逐次中央に通報させ,第1急流に運河を設けて軍民船の航行を容易にした。パレスチナにも遠征したと伝えられる。首都ファイユーム付近の治水干拓も実施し,のちにヌビアの諸神殿で神として崇拝された。ダハシュールピラミッドがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android