セルカリア(読み)せるかりあ(英語表記)cercaria

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セルカリア」の意味・わかりやすい解説

セルカリア
せるかりあ
cercaria

扁形(へんけい)動物門吸虫綱二生(にせい)亜綱の発育期の幼虫名。ケルカリアともよばれる。卵から孵化(ふか)したミラシジウムは第一中間宿主の貝の体内で細長い袋状のスポロシストあるいはレジア(欠くものもある)とよばれる幼虫になるが、最終的にはこれらの体内の胚(はい)細胞が発育してセルカリアが生じ、その数は100を超えることもある。

 セルカリアは吸虫の種類により形態が異なるが、口吸盤、腹吸盤、穿通腺(せんつうせん)、消化管、排出管、尾などをもつのが普通で、第一中間宿主の貝から脱出して水中を遊泳し、第二中間宿主の魚類甲殻類に到達すると尾を失い、体表あるいは体内で袋に包まれメタセルカリアになる。肝蛭(かんてつ)などでは水草の上でメタセルカリアになる。住血吸虫にはメタセルカリア期がなく、セルカリアは直接固有宿主に到達してその皮膚から体内に侵入し成虫になる。

[町田昌昭]


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