セロ・トロロ天文台(読み)せろとろろてんもんだい(その他表記)Observatorio Interamericano de Cerro Tololo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セロ・トロロ天文台」の意味・わかりやすい解説

セロ・トロロ天文台
せろとろろてんもんだい
Observatorio Interamericano de Cerro Tololo

南アメリカ、チリの標高2000メートルを超すセロ・トロロにある天文台。1963年、南天観測を充実させるために設立された。南北アメリカにまたがる天文台という意味で「汎アメリカ天文台(はんあめりかてんもんだい)」ともよばれる。アメリカの天文学研究のための大学連合が、南・北半球に口径400センチメートルの望遠鏡を設置する計画をたて、1台は1973年にアメリカ合衆国アリゾナ州キットピーク国立天文台に、もう1台は1974年にこの天文台に備えられた。セロ・トロロ周辺は、カーネギー研究所のラス・カンパナス天文台Las Campanas Observatoryに口径254センチメートル望遠鏡があり、ヨーロッパ南天天文台には口径358センチメートル、357センチメートルの両望遠鏡があるなど、南天天体観測の一大センターになっている。

[磯部琇三 2015年5月19日]


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