セントランサス(読み)せんとらんさす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セントランサス」の意味・わかりやすい解説

セントランサス
せんとらんさす
[学] Centranthus

オミナエシ科(APG分類:スイカズラ科ベニカノコソウ属の総称。地中海沿岸地方に十数種分布し、園芸的には次の2種がよく栽培される。ウスベニカノコソウC. macrosiphon Boiss.は、スペイン原産の一年草。茎は高さ40~50センチメートル、全株に毛はなく、茎葉は灰緑色となる。葉は対生し、広卵形。6~8月、茎上に散房花序をつくり、淡紅色、白色などの小花を密に開く。ベニカノコソウC. ruber (L) DC.は南ヨーロッパから西南アジア原産の多年草。茎は叢生(そうせい)し、直立して高さ70~90センチメートル。葉は卵形で、茎葉は毛がなく灰緑色。5~8月、茎上に散房花序をつくり、紅色または白色の香りのある小花を密に開く。両種とも花壇または切り花用として栽培され、前種は春または秋播(ま)き、後種は株分けまたは実生(みしょう)による。日当りのよい場所でよく育ち、石灰を施すとよい。

[柳 宗民 2021年12月14日]

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