ゼードルマイヤー(英語表記)Hans Sedlmayr

改訂新版 世界大百科事典 「ゼードルマイヤー」の意味・わかりやすい解説

ゼードルマイヤー
Hans Sedlmayr
生没年:1896-1984

オーストリアの美術史家。ブルゲンラント地方ホルンシュタイン生れ。ドボルジャークシュロッサーJulius von Schlosser(1866-1938)に師事。1936年シュロッサーの後任としてウィーン大学教授,51年以降はミュンヘン教鞭を執る。美術品を同時代の精神風土と密接に関連させて解釈しようとするウィーン学派直系の研究者であるにもかかわらず,彼は美術品を直観的に把握し同時にその固有の構造を分析的にとらえて芸術家の精神に迫ろうとする心理主義的立場をとる。主要著書に,近代芸術自滅に向かっているとする《中心の喪失》(1948。邦訳1965)がある。
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百科事典マイペディア 「ゼードルマイヤー」の意味・わかりやすい解説

ゼードルマイヤー

オーストリアの美術史家。ホルンシュタイン生れ。初め建築家を志したが,その後美術史に転じ,ウィーン大学でドボルジャーク,ユリウス・フォン・シュロッサー〔1866-1938〕に学び,1936年―1945年同大学教授,1951年―1964年ミュンヘン大学教授を務めた。作品に内在する固有の構造を分析的に把握する方法をとり,特に近代芸術を時代の症候としてとらえる態度論議を呼んだ。主な著書に《中心の喪失》(1948年),《近代芸術の革命》(1955年)などがある。

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