オーストリアの美術史家。ブルゲンラント地方ホルンシュタイン生れ。ドボルジャークやシュロッサーJulius von Schlosser(1866-1938)に師事。1936年シュロッサーの後任としてウィーン大学教授,51年以降はミュンヘンで教鞭を執る。美術品を同時代の精神的風土と密接に関連させて解釈しようとするウィーン学派直系の研究者であるにもかかわらず,彼は美術品を直観的に把握し同時にその固有の構造を分析的にとらえて芸術家の精神に迫ろうとする心理主義的立場をとる。主要著書に,近代芸術が自滅に向かっているとする《中心の喪失》(1948。邦訳1965)がある。 執筆者:鈴木 杜幾子