そこはかと(読み)ソコハカト

デジタル大辞泉の解説

そこはか‐と

[副]《「其処(そこ)は彼(か)と」の意という》
(あとに打消しの語を伴って用いる)どこそことはっきりとは。確かには。
「悩み給ふさま―見えず」〈・若菜下〉
何となく。あれやこれやと。
「―思ひ続けて来てみればことしのけふも袖はぬれけり」〈新古今哀傷

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大辞林 第三版の解説

そこはかと

( 副 )
どこがどうであるとさしていえるほどに、場所や物事の明瞭なさま。はっきりと。分明に。 「顔かたち、-いづこなむすぐれたる、あな清らと見ゆる所もなきが/源氏 匂宮」 「 -思ひわくことはなきものから/源氏 橋姫
何かはっきりしないさま。なんとなく。どうということなく。 「 -思ひつづけて来て見れば今年の今日も袖は濡れけり/新古今 哀傷」 〔「其処そこは彼と」の意とされるが、「いづこをはかりとも覚えざりければ/伊勢 21」のような言い方もあるので、「はか」は「計はかり」と同源で、目当て・当てど、の意か〕

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

そこはか‐と

〘副〙 (「そこ」は代名詞、「はか」は目当ての意)
① 場所や輪郭などを、どことはっきり指示・識別するさまを表わす。どこがどうとはっきり。格別に。確かに。下に打消の表現がくる場合が多い。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「ことに、そこはかとある御心地にはあらで、おこり給ふ折などして、物参らずとなん」
※源氏(1001‐14頃)匂宮「顔かたちも、そこはかと、いづこなむすぐれたる、あな清らと、見ゆる所もなきが」
② 原因、理由、けじめなどがはっきりしない状態を表わす語。何となく。どうということなく。あれやこれやと。そこはかとなし
※有明の別(12C後)二「今は、我身のながらふまじきを知りながらや、〈略〉そこはかとあひしらはる」
※新古今(1205)哀傷・八四一「そこはかと思ひ続けて来て見れば今年の今日も袖はぬれけり〈慈円〉」

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