日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソフトバンクモバイル」の意味・わかりやすい解説
ソフトバンクモバイル
そふとばんくもばいる
Softbank Mobile Co.
2006年(平成18)10月から2015年7月まで存在した携帯電話を中心とする日本の通信事業会社。ソフトバンクを中心とする企業グループの中核企業の一つで、2015年7月に社名をソフトバンク(株)に変更した。2006年、ソフトバンクを中心とする企業グループがイギリスに本拠を置く携帯電話会社ボーダフォングループの日本法人ボーダフォンを買収して発足した。ブランド名は「SoftBank」。おもな業務は移動通信サービス、固定通信サービス、インターネット接続サービスの提供や携帯電話・同関連製品の販売など。2013年7月には、アメリカで携帯電話加入者数第3位のスプリント・ネクステル社を買収し、世界の携帯電話市場で第4位のグループとなった。
[矢野 武 2017年8月21日]
成立に至る経緯
1991年(平成3)~1992年に、旧国鉄を母体とする日本テレコムが中心となって設立した自動車・携帯電話会社の東京・関西・東海デジタルホン(サービス開始は1994年)が前身である。1999年に「J-フォン」を冠した社名に変更し、2000年にはJ-フォン東日本、東海、西日本の3社体制となった。2001年にイギリスの大手通信会社のボーダフォングループが日本テレコムグループ(J-フォン各社)を傘下に収め、2003年にボーダフォンへ社名変更し、ブランド名は「Vodafone(ボーダフォン)」となった。ただ、動画のやりとりや音楽のダウンロードができる第3世代携帯電話への移行が遅れたうえ、携帯端末について他社との違いを打ち出せず、徐々にシェアを落とした。2006年4月、ソフトバンクを中心とする企業グループがボーダフォン日本法人を買収し、ソフトバンクの傘下に入り、ソフトバンクモバイルに社名を変更した。2008年7月に、アップル社のスマートフォン「iPhone(アイフォーン) 3G」を販売して一気にシェアを拡大した。2015年4月に、ソフトバンクを中心とする企業グループの通信関連4社の再編に伴い、ADSL(非対称デジタル加入者回線)などの固定通信事業を担ったソフトバンクBB、個人・法人向け電気通信事業者のソフトバンクテレコム、移動体通信・PHSサービスのワイモバイルの3社を吸収合併した。
[矢野 武 2017年8月21日]