改訂新版 世界大百科事典 「タイワンレンギョウ」の意味・わかりやすい解説
タイワンレンギョウ
sky flower
golden dewdrop
Duranta repens L.
枝先に小さな藤色の花を長い総状花序に多数つけるクマツヅラ科の常緑低木。ハリマツリともいう。観賞用として温室に植えられ,熱帯では庭木や生垣に使われる。原産地はフロリダ,西インド諸島,メキシコからブラジルの熱帯アメリカ。高さ3mくらいで,枝は4稜をなし,先端は下垂しやすい。節にはとげがあり,若い部分には短い軟毛が密生する。葉は対生し,倒卵形で長さ2~10cmで大小がある。葉の先はとがり,粗い鋸歯がある。萼は浅く5裂する。花冠は漏斗形で先端は5片に分かれ平開し,花径は1.5cmくらいで,花筒は先の方で少し湾曲し,横向きに咲く。おしべ4本でうち2本は長い。果実は球形の液果で熟すと黄色となり,アルカロイドを含有しているので,ボウフラの防除に利用されるという。繁殖は実生または挿木で行い,日当りを好むので日陰を避け,排水のよい土に植える。木はじょうぶで栽培しやすい。
執筆者:古里 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報