改訂新版 世界大百科事典 「タバスコソース」の意味・わかりやすい解説
タバスコソース
Tabasco sauce
メキシコ産の辛味トウガラシ,タバスコペッパーを主原料とする香辛調味料で,アメリカのマキルヘニー社McIlhenny Co.(1868創立)の製品。美食家として知られた銀行家のマキルヘニーEdmund McIlhennyが,南北戦争で資産を失い,わずかに畑に残っていたトウガラシを利用してソースをつくり,食事を楽しんだのがきっかけで商品化されたという。完熟したタバスコペッパーをすりつぶしてオリーブ油と塩をまぜ,密封貯蔵して発酵させ,2~3年間熟成させたのち,ビネガーを加えて風味をととのえ,独特の小型の瓶に詰めて製品とする。きわめて濃度のある赤色のソースで,味はひじょうに辛い。ふつうはテーブルソースとして食卓に置き,ピッツァ(ピザ),スパゲッティ,ピラフ,ハンバーガーなどに数滴ふりかけて用い,また,各種ソースの香味づけなどに用いる。現在では類似のチリソース類も発売されている。
執筆者:大村 直己
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報