タンジャブール(読み)たんじゃぶーる(その他表記)Thanjavur

デジタル大辞泉 「タンジャブール」の意味・読み・例文・類語

タンジャブール(Thanjavur)

インド南部、タミルナドゥ州古都。カーベリ川デルタの頂部に位置する。英国統治時代の旧称タンジョール。10世紀初頭から14世紀初頭にかけてチョーラ朝の都が置かれ、タミル文化の中心地として栄えた。1987年に世界遺産(文化遺産)に登録されたブリハディーシュワラ寺院をはじめとするヒンズー教寺院のほか、ビジャヤナガル王国時代の城塞やマラータ王国時代の宮殿などが残っている。タンジャーブール

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タンジャブール」の意味・わかりやすい解説

タンジャブール
たんじゃぶーる
Thanjavur

インド南部、タミル・ナド州中東部の古都。タンジョールTanjoreともいう。人口21万5725(2001)。カーベリ川中流右岸、「南インドの穀倉」といわれる肥沃(ひよく)なカーベリ・デルタの要地に位置する。タミル文化のもっとも栄えたチョーラ朝時代(907~1310)の首都で、往時にはインド半島全域ばかりでなく、スマトラ島や中国とも関係をもっていた。その繁栄おもかげは、11世紀につくられた壮麗なブリハディシュワラ寺院に残されている。その後も地方の重要都市として存在し、ビジャヤナガル王国時代の城塞(じょうさい)や、マラータ同盟時代のサルフォージ宮殿などが残る。現在も県都として行政の中心地であるとともに、カーベリ・デルタで生産される米、サトウキビココナッツなどの一大集散地となっている。綿織物、絹、じゅうたん、宝石細工などの小規模工業が盛んで、カレッジ、高等学校などの各種教育施設も充実している。

[貞方 昇]

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