タービニア号(読み)たーびにあごう(英語表記)Turbinia

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タービニア号」の意味・わかりやすい解説

タービニア号
たーびにあごう
Turbinia

世界最初の蒸気タービン船。1897年、イギリスパーソンズが設計し、新しい船の推進方式としてのタービン世間に認識させるために建造した。その年のビクトリア女王在位60年記念の観艦式に、艦列の間を縫って当時としては記録破りの34.5ノットのスピードでデモンストレーションを行い、女王以下の目を奪った。タービニア号は3本の推進軸に、それぞれ3個ずつのプロペラを取り付け、キャビテーション(プロペラ部に生じる真空現象)を防いでいた。このデモンストレーションの結果、船舶用タービン機関は軍艦皮切りにして急激に普及した。現在、ニュー・カッスルの科学博物館に保存されている。

[茂在寅男]


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