ダマスカス文書(読み)ダマスカスぶんしょ(その他表記)Damascus Document

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダマスカス文書」の意味・わかりやすい解説

ダマスカス文書
ダマスカスぶんしょ
Damascus Document

1897年からユダヤ教学者ソロモン・シェヒターにより,カイロのベン・エズラ会堂の書庫 (ゲニザ) から発見され,1910年ケンブリッジで刊行されたヘブライ語による古代ユダヤ教の文書。この書中の「サドクの子孫」がこの書を奉じた一派の自称と考えられたところから,サドク派文書とも呼ばれた。しかしサドクの子孫は福音書のサドカイ派とは異なっており,むしろ思想,組織でクムラン教団に類似を示すが,両者の関係について確かなことはわからない。彼らはダマスカスに移住,その地で新しい契約に入ったことを述べ,パリサイ派を批判しつつも,きびしい律法のもとに罪を避け,終末を待望していたことが知られる。移住の時期にも通説はないが,紀元前後のユダヤ教について貴重な資料となっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む