化学辞典 第2版 「チアントレン」の解説
チアントレン
チアントレン
thianthrene
C12H8S2(216.33).塩化アルミニウムの存在下,ベンゼンに塩化硫黄(あるいは硫黄)を作用させると得られる.2個のベンゼン環が,S原子のところで128°の角度で折れ曲がっているため,芳香族性がない.プリズム状晶.融点158~159 ℃,沸点353~354 ℃(一部分解),204 ℃(1.46 kPa).エーテル,二硫化炭素,ベンゼンに可溶.硫酸水溶液は紫色を呈する.酸化法により,S,S′-ジオキシドやS,S-ジオキシドを生成する.[CAS 92-85-3]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報