ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チグラネス1世」の意味・わかりやすい解説
チグラネス1世
チグラネスいっせい
Tigranes I
[没]前55頃
古代アルメニア帝国の支配者。2世とも数えられる。在位前 95/4~55年頃。アルタウァスデス2世の息子。大王と呼ばれた。初めパルティア帝国に人質になっていたが,のちポントス王で義父のミトラダテス6世と同盟を結び,その娘クレオパトラと結婚した。ミトラダテスのローマに対する反抗を助けたり,カッパドキア,メディア,シリアなどを征服して,アルメニアとメソポタミアの境にチグラノセルタという新都を築き,小アジアのギリシア人やアラブ人などを移住させた。みずから「諸王の王」と称したが,66年ポンペイウス (大ポンペイウス) に敗れ,アルメニアのみに領土を縮小された。その後もパルティアと抗争を続けたが,ローマには服属した。
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