チャダイゴケ

改訂新版 世界大百科事典 「チャダイゴケ」の意味・わかりやすい解説

チャダイゴケ

担子菌類腹菌類チャダイゴケ目チャダイゴケ科Nidulariaceaeに属する小型だが風変りなキノコをいう。英名bird's-nest fungus。やや大型なスジチャダイゴケCyathus striatus Fr.を例にあげると,キノコは倒円錐形のコップ形,高さ8~13mm,直径6~8mm,外面は粗いささくれ状の毛でおおわれ,褐色~暗褐色内面は灰色~灰褐色で,縦にならぶ明りょうな筋模様がある。コップの口ははじめ白い膜でとざされるが,まもなくやぶれ去る。コップの中には碁石状の小粒を10個ほどおさめる。小粒は直径1~2mm,下側の中央につく細いひもでコップの内壁につながる。小粒の表面は灰黒色,堅い殻でつつまれ,内部胞子がつくられる。胞子は楕円形,大きさ16~20μm×8~9μm。夏から秋,腐った落葉が多い地上に群生し,全日本,全世界に分布する。近縁の種には,もっと小型で朽木に群生するツネノチャダイゴケ,畑や堆肥に生えるハタケチャダイゴケなどが比較的ふつうに見られる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャダイゴケ」の意味・わかりやすい解説

チャダイゴケ(茶台苔)
チャダイゴケ
bird's-nest fungi

担子菌類チャダイゴケ目の菌類。地上の腐った木の枝や材などに数個ずつ固まって生える。子実体は杯形で,その若いうちに,内部に比較的少数の腔室を生じ,のちその腔室の壁に子実層ができ,担子器が並んでできる。その頃,腔室は押しつぶされた形になり,それを取巻くように皮質の組織が発達して,腔室を中心に入れた小さな塊粒となる。やがて子実体の頂部は開口し,この塊粒があたかも鳥の巣の中に卵が入っているようにみられることから標記の英名がつけられた。ツネノチャダイゴケ属 Crucibulum,チャダイゴケ属 Cyathus,コチャダイゴケ属 Nidulaなどがある。

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