日本大百科全書(ニッポニカ) 「チョンベ」の意味・わかりやすい解説
チョンベ
ちょんべ
Moïse-Kapenda Tsombe
(1919―1969)
ツォンベとも表記する。旧ベルギー領コンゴ(現コンゴ民主共和国)出身の政治家。11月10日カタンガ州の富裕な事業家の子に生まれ、ルンダ人の首長の女婿となって、部族内での地位をいっそう強化した。中学卒業後一時事業家として活動したが、やがて政治家に転身、1958年にコナカ党(ルンダ人の政党)の党首となった。1960年コンゴ共和国(のちザイール共和国、現コンゴ民主共和国)の独立とともにカタンガ州首相となり、コンゴ動乱勃発(ぼっぱつ)直後の同年7月カタンガ州の分離独立を宣言した。1963年1月国連軍によってカタンガが制圧されると、分離を終結してスペインに亡命したが、1964年6月に帰国して中央政府首相に就任、左派ゲリラ勢力の鎮圧に成功した。その後カサブブ大統領と対立して1965年10月に解任され再度スペインに亡命、1967年6月乗機がアルジェリアに強制着陸させられ、1969年6月29日アルジェの獄中で病死した。
[小田英郎]