改訂新版 世界大百科事典 「チラスポリ」の意味・わかりやすい解説
チラスポリ
Tiraspol’
モルドバ共和国東部の都市。ドニエストル川左岸に位置する港町で,人口15万8069(2004)。工業中心地で,食品工業,機械工業,軽工業が盛んである。1787年にトルコ軍によって焼かれた古代モルドバの町スタラヤ・スクレアの地に,92年ロシアの将軍スボロフが要塞を建築したのがはじまりで,95年以来チラスポリ(チラスはドニエストルのギリシア名,ポリはギリシア語のポリス)と呼ばれている。1806年からヘルソン県に編入された。73年にはキシニョフとの間に鉄道が開設され,このころからブドウ酒製造が盛んとなった。1929-40年はソ連邦モルダビア自治共和国(現モルドバ共和国)の主都であった。
執筆者:中井 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報