モルドバ共和国の首都。ドニエストル川の支流ビク川のほとりの森の多い地域にある都市。キシニョフはロシア語名で,モルドバ語ではChişinǎu(キシナウ)。人口64万4204(2004)。住民はモルドバ人,ウクライナ人,ロシア人が多いが,かつてはユダヤ人が多かった。1420年以来,市としてその存在が知られている。16世紀初めよりオスマン帝国を宗主国とするモルドバ公国領となる。1812年ロシア帝国によるベッサラビア併合とともにロシア領となり,ベッサラビア県の県都となる。20年代にはデカブリストのグループが形成されたり,亡命ギリシア人の独立運動の一中心地ともなった。19世紀後半,工業都市として発展し,1900年にはロシア社会民主労働党グループも形成された。03年4月ユダヤ人に対するポグロム(虐殺,略奪)が起こり,400人以上の死傷者が出た。18年ベッサラビア全土とともにルーマニアに併合された。40年ベッサラビアはソ連に併合され,キシニョフを首都とする〈モルダビア共和国〉が形成されてソ連邦を構成する一共和国となった。第2次世界大戦中の41年から44年の間ドイツ軍に占領され,この間戦闘により市の70%が破壊された。
戦後,工業都市として復興,発展し,共和国全体の25%の工業生産物がキシニョフで生産されている。機械,金属,食品工業(特にブドウ酒,食肉,タバコ)などが盛んである。市内には8500の学生が学ぶモルドバ大学,モルドバ科学アカデミーをはじめとする教育・研究施設や1820-23年にキシニョフに滞在したプーシキンの博物館,モルドバ歴史博物館などの文化施設,カテドラル教会(19世紀)をはじめとする17世紀以来の教会建築が残されている。1992年キシナウChisinauと改称した。
執筆者:中井 和夫
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モルドバ共和国の首都、キシナウの旧称で、ロシア語名。
[編集部]
「キシナウ」のページをご覧ください。
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