日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツビッキー」の意味・わかりやすい解説
ツビッキー
つびっきー
Fritz Zwicky
(1898―1974)
スイスの天文学者。ブルガリアのバルナで生まれるが両親がスイス人だったためスイス国籍で過ごした。スイスのチューリヒの連邦工科大学で学び、1922年に博士号を取得した。1925年アメリカに渡り、以後アメリカで活躍した。1927年にカリフォルニア工科大学で助教授となり、1942年から1968年まで同大の天文学教授を務めた。
初期には結晶と流体の物理学を専門としたが、後に天文学に転じた。超新星に興味をもち、超新星と中性子星に関連があることを最初に示唆した。超新星を研究するために、超新星を分類し、一つの銀河には約340年に一度程度超新星が出現するという出現頻度を推測した。超新星を探すためにパロマ山天文台の46センチメートルシュミット望遠鏡で銀河および銀河団を観測した。その結果、多くの銀河が銀河の集団である銀河団を形成していることをつきとめ、それら数千の銀河や銀河団をまとめるカタログCatalogue of Galaxies and of Clusters of Galaxies(CGCG)を作成した。また、銀河の運動の観測から、暗黒物質の存在を指摘している。
[編集部 2023年5月18日]