普及版 字通 「テイ・ぬきんでる」の読み・字形・画数・意味
4画
[字訓] ぬきんでる
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 象形
ものを高く捧げて立つ人の形。(呈)は、祝の器((さい))を高く掲げて、神に呈示する意の字である。これを捧げて挺立することをという。壬(じん)は器を鍛冶するときの台の形で、字が異なる。〔説文〕八上に「善なり。人士に從ふ。士は事なり」とし、士人は他よりも挺立して、善を為すものの意とするようであるが、卜文の字形は土上に人の挺立する形である。〔説文〕にまた「一に曰く、物の地より出でて挺生するに象るなり」とし、草木の類のように解するが、(廷)・(庭)の初文は、土主に対して儀礼を行う形に従う。・(聖)・(望)はみな挺立して祝し、神意を仰ぐ形、聞の初文も上に耳をしるす形であった。神意を知るために、人の挺立する象とみるべきである。
[訓義]
1. ぬきんでる、たつ、高きを望んでたつ。
2. よい。
[部首]
〔説文〕に(徴)・・(いん)の三字。〔玉〕にさらに重など二字を加える。重を〔説文〕に次部におき、量をその部に属するが、重は(ふくろ)の重さを示す字で、とは関係がない。は長髪の人を殴(う)つ形で、巫女を殴つ形の(微)と同構の字である。
[声系]
〔説文〕に声として・・・聽(聴)の四字、および・の声に従う字を収める。は土主を祀るところで、所の中廷をいう。聴・望などの儀礼もそこで行われたのであろう。(けい)は經(経)(たていと)の初文。とは関係のない字である。
[語系]
thyeng、・挺dyengは声近く、は挺立の形、は祝の器を捧げて挺立する形。挺立して神意を聞くことを聽thyengといい、聞も古くは聽・の左旁の形にしるした。よく神意を聞く者をという。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報