ディジャーコモ(英語表記)Salvatore Di Giacomo

改訂新版 世界大百科事典 「ディジャーコモ」の意味・わかりやすい解説

ディ・ジャーコモ
Salvatore Di Giacomo
生没年:1860-1934

イタリア詩人小説家。ナポリ大学を中退後,ジャーナリストとして活躍。ベルガの影響を受けて,ナポリ民衆の姿を,方言を採り入れてリアリスティックに描いた短編小説を発表。同じく方言を用いた音楽性の強い詩作品のなかには,ナポリ民謡として親しまれているものも多い。作品には短編集《パイプ水差し》(1893),《ナポリ短編小説集》(1914),詩作品を集めた《詩集》(1926)などがある。詩や小説を改作した《劇作集》(1920)もある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディジャーコモ」の意味・わかりやすい解説

ディ・ジャーコモ
でぃじゃーこも
Salvatore Di Giacomo
(1860―1934)

イタリア、ナポリの詩人、作家。ジャーナリスト、短編作家として(『ナポリ短編集』1914など)、劇作家として(『アッスンタ・スピーナ』1909など)、18世紀ナポリの大衆文化の歴史を掘り起こした研究家として、その活動は多岐にわたったが、なによりも生地ナポリの方言を自由に駆使した叙情詩人として知られる。処女詩集『ソネット集』(1884)以下、『カンツォーニ・エ・アリエッテ新集』(1916)まで4冊にまとめられた彼の詩は、多くがナポリの祭りピエディグロッタのために書かれたもので、詩につけられたメロディーにのって人口に膾炙(かいしゃ)した。パスコリダンヌンツィオのはざまにあって、もっとも大きな詩法を実現した一人と評価されている。

[古賀弘人]

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