日本大百科全書(ニッポニカ) 「デ・サルロー」の意味・わかりやすい解説 デ・サルローでさるろーFrancesco De Sarlo(1864―1937) イタリアの唯心論哲学者。精神医学から哲学に移ったが、フィレンツェの高等学術研究所で理論哲学を講じるかたわら、イタリアで初めて実験心理学の実験室を設けた。『哲学的文化』誌の主幹を務め、斜陽の実証主義、復興してくる観念論の両者と論争を交えながら、観念論の普遍的「主体」に対して、世界の合理的秩序、倫理的価値の基礎として、神の復権を図る一方、とくに心理的経験の分析を重視する。教育者としても優れ、多くの弟子を育てた。[大谷啓治] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例