家庭医学館 「デュプイトラン拘縮」の解説
でゅぷいとらんこうしゅく【デュプイトラン拘縮 Dupuytren's Contracture】
手のひらや指の腱膜(けんまく)(腱をおおう膜)の肥厚と収縮によって、主として薬指や小指がしだいに曲がって変形する病気です。
50~60歳で発症することが多く、5対1の割合で男性に多くみられ、半数以上は両手におこります。
原因は不明ですが、手をよく使う職業の人や糖尿病、頸椎症(けいついしょう)などに合併しておこることが多いといわれています。
[症状]
まず薬指、小指の手のひらの部分に結節(けっせつ)(かたいしこり)ができます。この結節は、ときに軽く痛むこともありますが、ほとんどは痛みをともないません。
放置しておくと、結節の数と大きさが増し、連なって少しずつ手指の関節が曲がっていきます。
足の裏や陰茎(いんけい)の皮下に同じような結節ができることもあります。
薬指、小指の手のひらの部分に皮下結節があり、皮膚のひきつれがみられれば診断できます。ただし、古い傷あとと区別する必要があります。
[治療]
指の変形が軽いうちは、手指を伸ばす装具をつけて矯正(きょうせい)できることがあります。
指の曲がりが強く、動きにくくなると、手術が必要となります。手術で厚くなった腱膜を切除します。