デュロン=プチの法則(読み)デュロン=プチのほうそく(その他表記)Dulong-Petit's law

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デュロン=プチの法則」の意味・わかりやすい解説

デュロン=プチの法則
デュロン=プチのほうそく
Dulong-Petit's law

ほとんどの固体元素原子熱常温でほぼ 25J/K・mol≒6cal/K・mol≒3R に等しいという実験法則で,1819年 P.L.デュロンと A.T.プチによって見出された。例外の元素にはホウ素炭素ケイ素などがある。R気体定数である。原子熱は比熱と原子量の積で,この法則は原子量の算定に利用された。統計力学によれば,等分配の法則を仮定するとこの法則が導き出される。しかし低温ではこの法則からの偏差が大きくなり,この偏差を理解するために固体の比熱に関する量子理論が発展した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「デュロン=プチの法則」の意味・わかりやすい解説

デュロン‐プチの法則
でゅろんぷちのほうそく
Dulong-Petit's law 英語
loi de Dulong et Petit フランス語

固体の元素の原子熱、すなわちその元素の1グラム当りの比熱と原子量の積が、多くの元素で、通常の温度では、どれも6.2cal/deg(気体定数Rの約3倍)ぐらいの一定値になるという経験則。ジュロン‐プティの法則ともいう。1819年、フランスのデュロンとプチにより実験的にみいだされた。これを用いれば、実測で比熱さえ決定できればその元素の原子量が求められる。この法則はエネルギーの等分配則を仮定すれば求められる。狭い温度域でのみ成立する。この法則の適用されないものとして、ケイ素(3.8cal/deg)、炭素(1.8cal/deg)、硫黄(いおう)(5.4cal/deg)などがある。

[戸田源治郎]

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