偏差(読み)ヘンサ(その他表記)deviation

翻訳|deviation

精選版 日本国語大辞典 「偏差」の意味・読み・例文・類語

へん‐さ【偏差】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 標準となる数値、平均値、位置、方向などからのかたより。ふれ。偏倚(へんい)
    1. [初出の実例]「山麓より絶頂に至るまで気候の偏差多様に」(出典:日本風景論(1894)〈志賀重昂〉四)
  3. へんかく(偏角)〔工学字彙(1886)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「偏差」の意味・わかりやすい解説

偏差 (へんさ)
deviation

統計学用語測定値などの資料x1x2,……,xnがあるとき,その分布の代表値からの平均的なへだたりを示す数値である。代表値としては平均値,をとることが多い。偏差としてよく用いられるのは標準偏差σ,平均偏差δ,四分偏差Qなどである。標準偏差は,で,その平方σ2は平方偏差または分散と呼ばれる。δは,で計算される。資料が階級値に分類されているときは,各階級の代表値および個数それぞれxiniとするとき,とおいて,σおよびδは,で求められる。資料が大きさの順に整理されているとき,小さいほうから1/4位,および3/4位に位置するものの値をQ1Q3かき,それぞれ第1四分位数,第3四分位数,それから得られるQ=1/2(Q3Q1)を四分偏差という。四分偏差は容易に求められ,おおよその偏差を知るのに好都合である。
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百科事典マイペディア 「偏差」の意味・わかりやすい解説

偏差【へんさ】

資料x1,x2,…,x(/n)の平均値をx=(x1+x2+…+x(/n))/nとするとき,各資料x(/i)と平均値の差x(/i)−xをx(/i)の偏差という。これから平均偏差(偏差の絶対値の平均),標準偏差分散などが導かれる。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「偏差」の解説

偏差

数値データ集合を構成するそれぞれの値と平均値との差。たとえば、1、3、5、7という数値データの集合の場合、平均値は4「(1+3+5+7)/4」で、偏差はー3(1ー4)、ー1(3ー4)、1(5ー4)、3(7ー4)になる。

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