原子量と比熱の積、すなわち1モルの物質の温度を1℃だけ上げる熱量をいう(単位はカロリーで表すのが普通)。原子熱容量ともいう。1原子気体(たとえば希ガス元素の気体)の原子熱は定容で3カロリー、定圧で5カロリーである。
1819年フランスのデュロンとプチが、「固体元素の原子熱は常温付近ではほぼ一定である」というデュロン‐プチの法則を発表し、正しい原子量決定の有力な手段になったことはよく知られている。デュロン‐プチの法則は低温では成立しなくなるが、アインシュタインはこれを量子論的に解決し、アインシュタインの比熱式としてまとめている。
[中原勝儼]
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…29年にケーニヒスベルクの大学で鉱物学と物理学の教授となり,鉱物の比熱の研究や,結晶中や非晶質中での複屈折の研究を行った。31年,コップHermann Franz Moritz Kopp(1817‐92)とともに固体のモル比熱が近似的に成分元素の原子熱(1グラム原子に対する熱容量)の和に等しいというノイマン=コップの法則を見いだした。45年には,レンツの法則に基づいて誘導電流の法則を数学的に定式化し,ノイマンの法則を導出した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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