トビナナフシ(読み)とびななふし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トビナナフシ」の意味・わかりやすい解説

トビナナフシ
とびななふし / 飛竹節虫
[学] Micadina phluctaenoides

昆虫ナナフシ目ナナフシ科に属する昆虫。全体が緑色で、後翅(こうし)のみ薄桃色の美しいナナフシ。体長50ミリメートル前後。頭部は他種に比べてやや大きく、触角は長い。前翅は小さくて円形。後翅は長いが、せいぜい腹部中央に達する程度で、静止時に前翅下から露出する部分は緑色。成虫は夏季出現し、クヌギシイなどの葉を好んで食べる。比較的よく飛ぶ。本州九州に分布する。

[山崎柄根]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トビナナフシ」の意味・わかりやすい解説

トビナナフシ
Micadina phluctaenoides

ナナフシ目トビナナフシムシ科。体長 40~50mm。体は緑色,比較的短太で,頭部は他のナナフシ類に比べてやや大きく,触角は糸状で長い。中胸背中央には縦隆起がある。有翅であるが前翅は小さく円形,後翅は腹部中央に達する程度の長さで扇状に広げることができる。後翅前縁部は緑色で後半は薄い桃色であるが,たたむと前縁部の下に隠れる。クヌギ,シイなどの樹上にすみ,葉を食べる。本州,四国,九州,奄美大島に分布する。

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世界大百科事典(旧版)内のトビナナフシの言及

【ナナフシ(七節)】より

…世界から約2000種が知られ,日本には十数種を産する。ナナフシのほか,エダナナフシ,トビナナフシ,オキナワナナフシなどが代表種である。【山崎 柄根】
[利用]
 タイの薬屋にはナナフシの糞を売っているという。…

※「トビナナフシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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