トリクロロエテン

化学辞典 第2版 「トリクロロエテン」の解説

トリクロロエテン
トリクロロエテン
trichloroethene

C2HCl3(131.39).ClHC=CCl2.トリクレンともいう.1,1,2,2-テトラクロロエタンを水酸化カルシウムまたはアルカリで脱塩化水素すると得られる.クロロホルム臭のある無色液体.融点-86 ℃,沸点88 ℃.1.4397.1.4782.水に不溶,多くの有機溶媒に可溶.不燃性で有毒.日光にはあまり安定ではない.ゴム,油脂樹脂塗料溶剤であり,消火剤成分や十二指腸虫駆除剤にも用いられる.中枢神経の抑制作用があり,麻ひを起こすことがある.LD50 2402 mg/kg(マウス経口).ヒトに対する最小致死量は857 mg/kg.[CAS 79-01-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android