化学辞典 第2版 「トリクロロエテン」の解説
トリクロロエテン
トリクロロエテン
trichloroethene
C2HCl3(131.39).ClHC=CCl2.トリクレンともいう.1,1,2,2-テトラクロロエタンを水酸化カルシウムまたはアルカリで脱塩化水素すると得られる.クロロホルム臭のある無色の液体.融点-86 ℃,沸点88 ℃.1.4397.1.4782.水に不溶,多くの有機溶媒に可溶.不燃性で有毒.日光にはあまり安定ではない.ゴム,油脂,樹脂,塗料の溶剤であり,消火剤成分や十二指腸虫駆除剤にも用いられる.中枢神経の抑制作用があり,麻ひを起こすことがある.LD50 2402 mg/kg(マウス,経口).ヒトに対する最小致死量は857 mg/kg.[CAS 79-01-6]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報