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差押え禁止財産 さしおさえきんしざいさん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

差押え禁止財産
さしおさえきんしざいさん

民事執行法は,各種の政策的理由から本来強制執行の対象となるべき債務者の財産であっても,一般的,個別的または裁判によって差押えを禁止している。 (1) 一般的差押え禁止 強制執行は債権者の執行債権の満足をはかることを目的とするから,その満足と執行費用の弁済に必要な範囲をこえる差押え (超過差押え) を許さない (民事執行法 128) 。また差押え物を換価してもせいぜい執行費用の弁済だけでなくなり,執行債権の満足に役立たないような差押え (無益差押え) も許されない (129条) 。 (2) 個別的差押え禁止 民事執行法 131条に法定する有体動産,同法 152条に法定する債権は差押えが禁止される。その他の法律でも個別的に差押え禁止を規定する場合が少くない (たとえば,生活保護法 58,労働基準法 83条2項,雇用保険法 11,健康保険法 68) 。 (3) 裁判による差押え禁止 差押えによって債務者が生活上回復しがたい窮迫に陥るおそれがある場合に,債務者が誠実で債務履行の意思があり,しかも債権者の経済に著しい影響を及ぼさない顕著な事由がある場合には,裁判所は債務者の申立てにより,民事執行法 131,152条に規定する範囲のほかに,差押え禁止を必要な限度まで拡張する旨の裁判をすることができる。

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