カードゲームのジャンルの一つ。ゲームに使用するカードセット(デッキ)を、メーカーではなく、ユーザーが決定するタイプのゲーム。略してTCGともいう。60枚入りのスターターセットと、10枚程度が入っているブースターパックに分けて発売されるのが普通であるが、どちらも入っているカードはランダム(不規則)である。カードの種類は300前後もあり、出る頻度によってレア、アンコモン、コモンなどに分類される。ユーザーがまれにしか出ないレアカードを自分のデッキにそろえるには多額の投資が必要となる。このためコレクションアイテムとしての性格もあり、ユーザー間での交換(トレーディング)も行われる。
1993年アメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト社から最初のTCGである「マジック・ザ・ギャザリング」Magic : The Gathering(MTG)が発売され、ベストセラーとなった。ゲーム時間が約40分と短く、多人数によるコンベンション(大会)が可能なことがヒットした理由の一つである。TCGは1人のユーザーが購入する金額はほかのゲームの何十倍にもなるので、ヒットするとその売上も莫大(ばくだい)なものとなる。「マジック・ザ・ギャザリング」では賞金総額が数億円に及ぶ世界規模のチャンピオンシップを毎年開催している。それがブームに拍車をかける結果ともなり、プロとよばれるユーザーも出現した。日本では1995年(平成7)に「マジック・ザ・ギャザリング」の日本語版が発売され、数年後に日本製TCGである「ポケットモンスター」などとともにブームとなった。
特定のTCGのカードを大量に所有するユーザーは新しいゲームが発売されても、ほとんど乗り換えることはしない。これまでの投資がむだになるからである。そういうユーザーのために、メーカーは定期的に新カードを含んだエキスパンションや、リバイズド(改訂版)を発売する。後発メーカーにとってTCGはリスクの高い商品ジャンルであり、市場規模のわりに市販されているゲームの種類が非常に少ないのはこのためである。
[鈴木銀一郎]
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