法則の辞典 の解説 トーマス‐ライヒェ‐クーンの総和則【Thomas-Reiche-Kuhn sum rule】 前期量子論の最後の時期(1925年頃),原子と光との相互作用については,基底状態と励起状態とのエネルギー差をプランク定数で割った値の振動数をもつ「仮想振動子」の集合と光との相互作用として把握されていた.i 番目の励起状態への遷移確率 fi は「分散電子」と呼ばれた. このモデルから導かれる水素原子の分極率を,光の高振動数極限で古典論と比較し ∑fi=1(すなわち本当の電子の数) が導かれた.これをトーマス‐ライヒェ‐クーンの総和則(f‐総和則*)という. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報