トー族(読み)トーぞく(その他表記)Tho

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トー族」の意味・わかりやすい解説

トー族
トーぞく
Tho

ベトナム北部,ホン川の北に住むタイ系の一民族。言語はタイ=カダイ諸語に属する。ベトナム化が著しく,チューノム (字喃)に基づいた文字をもつ地域もある。人口約 120万と推定される。犂による水稲耕作を主に,工芸交易にもたずさわる。父系親族組織をもち祖先祭祀の権利は長子が継承する。 15世紀の黎朝期に住みついたベトナム人役人の子孫が政治的支配層を形成した。宗教上層儒教を奉じたが,一般には精霊信仰が強く,各村は守護神として土神を祀る。大乗仏教道教も浸透し仏寺もある。

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世界大百科事典(旧版)内のトー族の言及

【タイ族】より

…習俗的にはミヤオ族やニャン族に近いといわれている。(b)トー族 ベトナム北部のトンキン地方のカオバンやソンコイ川の東側の渓谷沿いに住み,ベトナム人からの文化的影響を強く受けているタイ族につけられた名称である。アニミストであるが,シャマニズムに関する報告も多い。…

※「トー族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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