ドゥケチウス(英語表記)Ducetius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドゥケチウス」の意味・わかりやすい解説

ドゥケチウス
Ducetius

[生]?
[没]前440頃
古代シチリアの政治家。ヘレニズム化したシクリ人の出身で,短期間シチリア東部の先住民共同体を強力な連盟に結合した。前 460年シラクサと他のシチリア諸国における僭主政の崩壊に続く混乱に乗じ,シラクサの民主派の援助を得て,前の僭主ヒエロン1世の植民者たちをカタナから追放し,本来のカルキディケからの住民に返還した。さらに他のシクリ人共同体に勢力を広げ,パリケに新しいシクリ人の都市を創建した。しかしシラクサとアクラガス反撃にあい,コリント逃亡。前 446年シチリアに帰り,再びギリシア人,シクリ人協力の植民市を北岸のカレアクテに建てた。それを拠点としてシクリ勢力の再建をはかったが,十分な成功を収めず死んだ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android