シクスツス3世(読み)シクスツスさんせい(その他表記)Sixtus III; Xystus III

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シクスツス3世」の意味・わかりやすい解説

シクスツス3世
シクスツスさんせい
Sixtus III; Xystus III

[生]?. ローマ
[没]440.8.19. ローマ
ローマ出身の第44代教皇在位 432~440)。聖人。432年7月に教皇ケレスチヌス1世(在位 422~432)を引き継いで登位する前は,ローマの主任司祭であった。異端ペラギウス説を擁護していると疑われたが,教皇に登位するとペラギウス派のローマ教会復帰を拒絶した。調停者として優れ,431年のエフェソス公会議後にアレクサンドリア総大司教キリルとアンチオキアの総大司教ヨハネスの間で起こったキリスト論の論争を解決し,教会内に平和を取り戻した。東方教会とは平穏な関係を保ち,イリリアバルカン半島北西部)における教皇の権力を維持した。また,410年に西ゴート族(→ゴート人)に破壊されたローマの重要な建築物の再建計画に資金援助を行ないサンタ・マリア・マジョーレ聖堂も再建させた。祝日は 3月28日。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android