日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドゥシェック」の意味・わかりやすい解説
ドゥシェック
どぅしぇっく
Jan Ladislav Dussek (Dusík)
(1760―1812)
ボヘミア出身の作曲家、ピアノ奏者。ドゥシークともよばれる。オルガン奏者の父ヤンに学び、1779年からヨーロッパ各地で活躍、86年以降、パリでピアノ奏者、教育者として活動したが、フランス革命後はイギリスなどに移った。1804~06年、マクデブルクでプロイセン王子ルイ・フェルディナントの楽長を務め、彼の戦死を悼んでピアノ・ソナタの傑作『エレジー・アルモニク』(1807)を作曲。その後はパリで演奏と教育を続けた。16曲の協奏曲、約50曲のソナタなどのピアノ曲がある。ステージ上にピアノを聴衆に横向きに置いて演奏する習慣は、彼の創始したものともいわれている。
[美山良夫]