ドグエラヒヒ(読み)どぐえらひひ(英語表記)doguera baboon

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドグエラヒヒ」の意味・わかりやすい解説

ドグエラヒヒ
どぐえらひひ
doguera baboon
[学] Papio anubis

哺乳(ほにゅう)綱霊長目オナガザル科の動物。アヌビスヒヒともいう。サハラ砂漠以南、タンザニア北部より北のサバナ地帯に分布する。雄は体長75センチメートル、尾長55センチメートル、体重20~30キログラムになり、雌は小形である。顔は無毛で黒褐色、体毛はオリーブ色。地上性の傾向が強く、食性は植物性食物を中心とする雑食性で、レイヨウの幼獣やウサギをとらえて食べることもある。群れは10~100頭の複雄群である。キイロヒヒP. cynocephalusチャクマヒヒP. ursinusなどとともにサバンナヒヒと総称されるが、これらを1種サバンナヒヒP. cynocephalusとしてまとめる考え方もある。

[川中健二]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドグエラヒヒ」の意味・わかりやすい解説

ドグエラヒヒ
Papio doguera; Anubis baboon

霊長目オナガザル科。体形,大きさはチャクマヒヒに似る。体色は黒みを帯びたオリーブ色で,手足毛色もほぼ同色。頸の背面の毛は短いたてがみ状になっている。 50頭内外の群れをつくって生活し,雄のリーダーに率いられている。木の葉,実,種子,根などを主食とするが,昆虫類やトカゲなども食べ,空腹になると家畜を襲うこともある。アフリカのケニアウガンダコンゴ民主共和国コンゴ共和国スーダンなどの草原地帯に生息し,地上生活をするが,木の上で寝ることが多い。

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