褐藻植物であるホンダワラ類の古称。『万葉集』巻三には「みさご居(い)る 磯廻(いそみ)に生(お)ふる なのりその 名を告(の)らしてよ 親は知るとも」の歌がみえるが、この「なのりそ(莫告藻)」とはホンダラワ類とされる。なお、『日本書紀』では「浜藻をなづけて、奈能利曽毛(なのりそも)といへり」(巻13・允恭(いんぎょう))とあるため、ホンダワラ類をさす以前は、広く浜藻を意味していたと思われる。やがて江戸時代になると、穂俵(ほだわら)に通ずる呼び名であるホンダワラが普及し、ナノリソは死語的になったと思われる。なお、分類学的にナノリソという場合はホンダワラ属の一種Sargassum turneri Yendoをさす。本種は日本海沿岸に産するが、あまり普遍的な海藻ではない。
[新崎盛敏]
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