ナミレンコ(読み)なみれんこ(その他表記)Morocco dentex

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナミレンコ」の意味・わかりやすい解説

ナミレンコ
なみれんこ / 波連子
Morocco dentex
[学] Dentex maroccanus

硬骨魚綱スズキ目タイ科キダイ亜科に属する海水魚。おもに地中海とアフリカ北西岸(ビスケー湾からギニア湾)に分布するが、ときどき北上しデンマーク近くの海域に達する。体は卵形で、強く側扁(そくへん)する。頭の上部外郭は吻部(ふんぶ)で多少反り返る。両顎(りょうがく)前部に、上顎に4本、下顎に6本の犬歯があり、口を閉じたときに上顎の4本は露出する。側部には1列の円錐歯(えんすいし)が並ぶ。眼隔域(左右の目の間隔域)は多少隆起し、中央よりもやや前方まで鱗(うろこ)がある。最大の全長は約45センチメートル、普通は25センチメートル。体は紅赤色で、黄色縦帯が鱗列(りんれつ)に沿って走る。生息水深は広範囲で、20~500メートルの礫底(てきてい)層の遊泳魚である。おもに甲殻類魚類、軟体動物などを食べる。春~夏に水深50~100メートルで産卵する。底引網延縄(はえなわ)で漁獲され、日本にも冷凍魚として入荷している。近縁種にオオメレンコがある。

[赤崎正人・尼岡邦夫 2017年7月19日]

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