ギニア湾(読み)ぎにあわん(英語表記)Gulf of Guinea

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギニア湾」の意味・わかりやすい解説

ギニア湾
ぎにあわん
Gulf of Guinea

アフリカ大陸が西アフリカから中央アフリカへ大きく屈曲する所へ、大西洋が湾入する海域。西端はリベリアのパルマス岬(西経7度43分、北緯4度22分)、南端はガボンのロペス岬(東経8度42分、南緯0度38分)で、ほぼ中央部にあるニジェール川の円弧状三角州の西部をベナン湾、東部をビアフラ湾とよぶ。湾内には、北東―南西方向に、北からビオコ島(赤道ギニア)、プリンシペ島サントメ島(ともにサントメ・プリンシペ)、パガル島(赤道ギニア)などの火山列島が線状に浮かんでいる。湾内の海水は赤道直下にあってもあまり高温にならず、冷水塊も発生する。そのため蒸発量は抑えられ、内陸側へ吹き込む風は比較的に乾燥しやすく、熱帯低地林の発達を抑えているといわれる。なおギニア湾岸沿いの地域は、植民地時代にヨーロッパとの交易で、西から穀物海岸(リベリア)、象牙(ぞうげ)海岸(コートジボワール)、黄金海岸ガーナ)、「奴隷海岸」(トーゴ、ベナン、ナイジェリア)という、アフリカの歴史に深い傷跡を示す地名が残った所として知られる。

[堀 信行

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギニア湾」の意味・わかりやすい解説

ギニア湾
ギニアわん
Golfe de Guinée

大西洋東部,アフリカ大陸西岸に湾入する大湾。リベリアのパルマス岬からガボンのロペズ岬にいたる線で限られる海域をさす。ガーナからナイジェリア南西岸にいたるベナン湾,ナイジェリア南東岸からカメルーンにいたるボニー湾を含む。ベンゲラ寒流,ギニア暖流にはさまれるため,湿った空気をもたらし,沿岸は降水量が多い。砂州や潟が多く,天然の良港は少い。豊かなマグロ漁場があるが,沿岸諸国以外の外国船に奪われている。沖合いでは油田の開発が進んでいる。

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