なれや(読み)ナレヤ

デジタル大辞泉 「なれや」の意味・読み・例文・類語

なれ‐や

[連語]
断定助動詞「なり」の已然形+係助詞「や」》
疑問の意を表す。…なのだろうか。
「我が恋はみ山がくれの草―しげさまされど知る人のなき」〈古今・恋二〉
反語の意を表す。…だろうか、いや…でない。
「思ふとも恋ふとも会はむもの―結うてもたゆく解くる下紐したひも」〈古今・恋一〉
《断定の助動詞「なり」の已然形「なれ」+間投助詞「や」》詠嘆の意を表す。…であることよ。…だなあ。
「世の中はくもりはてぬる月―さりともと見し影も待たれず」〈山家集・上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「なれや」の意味・読み・例文・類語

なれ‐や

  1. ( 断定の助動詞「なり」の已然形に助詞「や」の付いたもの )
  2. ( 「や」が疑問の係りの場合 ) 「なればや」「なればにや」の意。往々「…でもないのに」の気持で反語となる。…だからだろうか…のは。…だから…なのだろうか。
    1. [初出の実例]「おほろかに 心尽して 思ふらむ 其の子奈礼夜(ナレヤ)も」(出典万葉集(8C後)一九・四一六四)
  3. ( 文の終止または挿入句末に用いて ) 疑問・詠嘆の意を表わす。…なのだろうか。…なのかなあ。…であることよ。
    1. [初出の実例]「松の下は雪降る折の色なれや皆白妙に見ゆる山路は」(出典:山家集(12C後)下)

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