ナン・スベック(その他表記)Nang Sbek

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナン・スベック」の意味・わかりやすい解説

ナン・スベック
Nang Sbek

スベック・トム Sbek Thomともいう。カンボジア影絵人形芝居。「ナン」は影絵,「スベック」は巨大の意味。巨大な皮人形を両手であやつる。上演される物語は『ラーマーヤナ』からの挿話が多い。人形は1枚の皮革から作られ,幅 1m50cm,高さ 1m80cm。物語のある場面を表わす (森の中での戦闘場面,王宮内の場面など) 情景像と,主要な役柄,たとえばラーマシーターハヌマーンの人物像の2種類がある。舞台も幅 9m,高さ 3mと大きい。近年は映画産業の台頭で衰退したが,バッタンバン近郊には影絵人形の一座が残る。国は文化保存事業として,その技術習得を芸術大学に依頼している。

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