改訂新版 世界大百科事典 「ナードソン」の意味・わかりやすい解説 ナードソンSemyon Yakovlevich Nadson生没年:1862-87 ロシアの詩人。ペテルブルグのユダヤ人の官吏の家に生まれ,両親に早く死に別れ,士官学校へ進んで軍人になるが,肺結核を病んで1884年退職,療養。16歳のころから詩を書き,85年に出した処女詩集でプーシキン賞を受ける。彼の抒情詩のモティーフは,青春の懐疑,絶望,反逆といった分裂した内部のドラマの表白であり,レールモントフ,N.A.ネクラーソフを受け継ぐ心やさしい,歌うような調子をもち,曲をつけてひろく歌われたといわれる。南ロシアに転地し,ヤルタで死んだ。1917年,2巻の全集が出ている。執筆者:新谷 敬三郎 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by