ニューモノポリー(読み)にゅーものぽりー

知恵蔵 「ニューモノポリー」の解説

ニューモノポリー

世界中のデータ知識が一部のIT企業独占される問題。「モノポリー(Monopoly)とは、独占や専売を意味するが、従来のモノポリーは、独占企業が自社に有利になるよう、価格を引き上げたり、競合他社を市場から締め出すなどといった特徴があったのに対し、ニューモノポリーでは、独占しても価格を引き上げることがない。そもそも無料で利用できるサービスも多い、などというように、従来とは異なる形態で一部の企業が市場を独占している。
ニューモノポリーとされる企業には、「GAFA」と呼ばれる米国のグーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社やマイクロソフト社と、中国の「BAT」と呼ばれる「バイドゥ(Baidu)、アリババ(Alibaba)、テンセントTencent)」の3社を加えた企業があげられることが多い。ちなみにGAFAとBATの総ユーザー数だけでも130億人とされ、世界の人口を上回る規模となっている。
Googleを利用したネット検索や、AppleのiPhoneiPadとそれらデバイス内のアプリの利用、Facebookでのコミュニケーション、Amazonでのショッピングなどといった各種サービスは、もはややめられない、日常生活に欠かせないといった利用者も多いことから、利用者が競合他社のサービスに乗り換えにくくなる「ロックイン効果」が高い。同時に、利用者が増加すればするほど、ニューモノポリーとされる企業に、利用者の様々なデータが独占され、それらデータを活用した新たな知識や技術も独占されるといった問題が生じている。

(横田一輝 ICTディレクター/2019年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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