アリババ(読み)ありばば(英語表記)Alibaba

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリババ」の意味・わかりやすい解説

アリババ
ありばば
Alibaba

中国の大手情報技術グループAlibaba Group(阿里巴巴集団)が運営するeコマースサイトの名称。Alibaba Groupの本社浙江(せっこう)省杭州(こうしゅう)市にある。英語教師であった馬雲(マーユン)(英語名:ジャック・マー)(1964― )が1999年に創業した。当初は企業どうしの電子商取引へのサポートを中心に事業を展開したが、2003年に一般消費者向けの電子商取引サイト「淘宝網(タオバオワン)」を開設、2005年に電子マネーサービス支付宝(アリペイ)を導入したことで人気を博し、たちまち中国最大のインターネット通販業者に成長した。支付宝は、消費者が支払う代金をアリババが一時的に預かり、商品が無事に届いてから業者に支払われるシステムで、詐欺事件や不良品トラブルを未然に防ぐことができるため、利用者から好評を得た。2007年11月に香港証券取引所、2014年9月にはアメリカのニューヨーク証券取引所に上場した。株式の時価総額は約2300億ドルに達し、創業者の馬雲は中国一の富豪となった。ソフトバンク孫正義(そんまさよし)はアリババ創業直後に2000万ドルを投資し、アメリカでの上場でソフトバンクは8兆円近い含み益を得た。

[矢板明夫]

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