ヌジョマ(英語表記)Nujoma, Sam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌジョマ」の意味・わかりやすい解説

ヌジョマ
Nujoma, Sam

[生]1929.5.12. オンガンジェラ
ナミビア (旧称南西アフリカ) の政治家,解放運動指導者。セントバーナバス・スクール卒業後,南アフリカ鉄道,ウィントフーク市役所,同市内の卸売り商店などに勤務したが,民族主義に目ざめ,1959年4月 H.トイボらとともに北部のオバンボランドに基盤をもつオバンボランド人民機構 OPOを創設,ナミビアを南アフリカ共和国の支配から解放する運動に着手。 1959年9月南西アフリカ民族同盟 SWANUが全国大会を開催したとき,招かれてこれに参加し,執行委員会の一員に選出されたが,まもなくこれと手を切った。 1959年 12月一時当局に逮捕されたが,翌 1960年国外に亡命。その後 OPOの基盤を全国的に拡大するとともに,組織名を南西アフリカ人民機構 SWAPOと改め,1961年3月タンザニアのダルエスサラームに臨時本部を置いて国外からナミビアの解放運動を指導。 1966年3月帰国,再び逮捕され,国外に追放。 1966年7月エチオピア,リベリア両国がナミビア統治に関する南アフリカの国際義務違反について行なっていた提訴が国際司法裁判所で却下されると,SWAPOは翌8月から武装闘争に突入。その後 SWAPOは国際連合アフリカ統一機構 OAUからナミビア人民の正統な代表機関として認められ,ヌジョマの指導のもとで,独立へ向けて武装闘争を含む多面的な解放運動が展開された。 1988年 12月のアンゴラ包括和平協定締結に続いて 1989年 11月に行なわれた国連監視下でのナミビア独立選挙では,南アフリカ寄りの民主ターンハレ同盟 DTAを抑えて SWAPOが第一党となり,ヌジョマは 1990年3月のナミビア独立とともに初代大統領に就任した。 1995年大統領に再選,1999年に3選。

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