出馬(読み)シュツバ

精選版 日本国語大辞典 「出馬」の意味・読み・例文・類語

しゅつ‐ば【出馬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 馬を出すこと。
    1. [初出の実例]「諸家出馬装束〈略〉倭鞍、菖蒲形、杏葉、雲珠、尾袋」(出典:西宮記(969頃)三)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐襄公九年〕
  3. 馬に乗って出かけること。特に戦場に出向くこと。出陣。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「大敵を前に置き、出馬(シュツバ)すべきとは後れたり」(出典随筆常山紀談(1739)六)
  4. 重みのある人物がある場所に出向いたり、事に臨んだりすること。
    1. [初出の実例]「鈴江君の叔母君は出馬して、松村老人や新五と初対面の一幕が中々賑やかであった」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉八)
  5. 選挙に立候補すること。
    1. [初出の実例]「代議士に出馬することを」(出典:蟹工船(1929)〈小林多喜二〉二)
  6. しゅっそうば(出走馬)
    1. [初出の実例]「これならば絶対確実だと出馬表に赤鉛筆で印をつけて来たものも」(出典:競馬(1946)〈織田作之助〉)

いで‐うま【出馬】

  1. 〘 名詞 〙 放し飼いの馬。放馬(はなちうま)
    1. [初出の実例]「鳥うたへば、出馬おほくあり」(出典:仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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